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「ズッコケ中年三人組」を読んで燃え尽きた。

評価:
那須 正幹
ポプラ社
¥ 1,050
(2005-12)
JUGEMテーマ:小説全般

大ヒット児童書の『ズッコケ三人組』シリーズが
2005年に発刊された50作目『ズッコケ三人組の卒業式』で堂々の終結。
で、気づけば執筆を始めてから30年。
順当に主人公たちが年をとれば40代になってる計算。
って事で「もうちょっとだけ続くんじゃよ」的に
40代の3人組を一般書として書いてみたのが今作。
(「書いてみた」とか自分が書いたような物言いでスマン)

小学生の頃からこの三人組のシリーズが大好きでさ。
図書館で借りまくって読み漁って。
例のごとく弟をファンにして新刊が出る度に買わせて読んで。
(弟には親が劇甘だったので望みの本を買う手段として最有効。)
ごく最近のは残念ながら読んでないけどシリーズ中の名作は今も覚えているさ。

この本の三人組は現実的な年のとり方をしててさ。
酒は当たり前、タバコはやめられない、妻子も仕事も捨てられない。
(でも1人酒もタバコも苦手なキャラが…w)
やっぱりこれは『劇画オバQ』並みの鬱作品なのか?
…と思ったら。

小学6年生、ずっとこの時間軸で活躍していた時代に
3回も出会った因縁の敵、正体不明の大強盗『怪盗X』が再び姿を現す。
昔に怪盗を惜しいところまで追い詰めた三人に特別な感情があるのか
驚くような盗みを働きあからさまなご褒美や嫌がらせをしていく。
話の中では怪盗Xは世界的にも有名な強盗だから大騒動!
怪盗Xつながりで三人は再会し、捨てられない家族や仕事と比べて…
いい年して怪盗を追いかけるのも。
警察に任せるべきだろ。
あの時は若かっただけで怪盗Xも油断してただけだ。

でも、怪盗Xは新しい予告状で明らかに3人を挑発してる。
盗むといわれた品は三人にゆかりも深いし美術的価値が高い。
打倒、怪盗X。
立ち上がり協力する三人。
おお、中年三人に小学生時代の輝きが戻った!

それからはもう手に汗握る展開でドキドキハラハラですよ。
最後の1ページまで気が抜けない!
私の要点をつかめてない序盤の説明は要らなかったかもな。

ズッコケ三人組シリーズが好きだったなら読め、ですよ。

このシリーズの毎回のお約束で三人組の
ハチベエ、ハカセ、モーちゃんのさりげないキャラ紹介も
ちゃんと自然文で入ってるからむしろシリーズ知らなくても読める!
でも話の隅々に小学生時代のエピソードがまぎれてるから、
やっぱファンのための本かな。

ちょうど出版されたときは入院中だったから
読む機会を失ったまま数年経ってたけど…。
文句無しに面白かった。
子どもでも読めるよう意識したとのとおり
結構さくさくストーリー物のコミックの単行本のごとく読めました。
(コミックに換算すると8巻分位はあるかも。文字だけの本だもの。)
でも一番重要(革新的)なのは、このシリーズの象徴であった
コミック的な画風の挿絵が一切入ってない事かな。
表紙の中年3人組もシルエットだけ。
だけどそれがいい感じに読者の自由な解釈を広げてくれる。
3人がどう年をとったのか、枠にはめなくて大正解。
これこそ読書のいいところだよねー。

コミック風の挿絵が入る元シリーズも
児童が読書をはじめるきっかけとしては有効だったと思う、です。
だって挿絵の作家さんが亡くなられて、
代理にアニメーターの人が描いてたんだけど
「ハチベエの髪はもっと柔らかいの!」とか
女児の読者に罵られていた位。
コミック風の絵の印象は強い、強すぎる。
それを卒業できたのが今作かも。
まぁ、一般書だしね。

あとがきで「続きは10年後の『ズッコケ熟年3人組で』」
とか書いてるのにけしからん事に1歳づつ年をとった続編が
2冊でているらしいです。
いったん中年にしたらもう戻れないのかなー。
多少切ないながらも「読もう」と思います。
これがきっかけでまた3人組に会えたんだし。

最後に補足。
初代作品から三人組にはどこにも『ズッコケ』らしいところがない。
100%模範的な優等生でもないわけだけど。
これはタイトルの勝ちだと思います。
でも39歳のハチベエちゃんが水商売の女に誘惑されて、
妻子を失いかねない自体になった時は…うーん生々しいけどこれはこれで!
あ、でも小学6年生である三人が好きな児童には読ませちゃいけないかも…。

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コメント

「ズッコケ三人組」シリーズ懐かしいなぁ。
どこの小学校の図書室にもあったんじゃないかな?
今や「ズッコケ」って言葉自体、死語だけどw
40歳になった三人組ってのがリアルだよね。
このレビューを見て、私も読んでみたくなりました。

  • 糸色叫
  • 2008/04/26 08:40

>糸色叫さん
んー、小学校の図書室にあったかなぁ。
なぜか区民図書館で借りた記憶しかないです。
「ズッコケ」って言葉は私が愛読してた時代でも
ちょっとダサいな、位の印象がありました。

記事にも書いたけどファンだったなら読む価値アリです。
amazonさんの14件のレビューの中では、
この本が初めてって人には「?」な人が多いみたいです。

那須せんせ、このシリーズから逃げられないのかなー。
新規読者にアピールできる点がないのはちょっとつらい。

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